ビットコイン、下落局面下でも堅調さを発揮

米連邦準備制度理事会（FRB）は直近の会合で政策金利を4.25%～4.5%に据え置くことを決定したものの、市場は比較的落ち着いた動きを見せました。パウエル議長は様子見姿勢を鮮明にし、9月の利下げの有無については明確な言及を避けました。これにより、市場が見込んでいた利下げ時期がさらに後ろ倒しとなる形となっています。それにもかかわらず、ビットコインは$118,000のサポート水準を堅持し、底堅い値動きを示すとともに、今後の反発への余地を残しています。

利下げ期待は冷却化

パウエル議長は9月の利下げ判断は今後発表される経済データ次第であり、現時点では何も決定していないと強調しました。会合後、市場参加者による9月の利下げ予想は63%から40%に低下しましたが、依然として大半の市場関係者は年内に1～2回の利下げを予想しています。LVRGリサーチのニック・ラック氏は、FRBの慎重な姿勢によって強気相場の勢いがやや鈍化する可能性があると指摘しつつも、全体的な流動性が引き続き暗号資産市場の下支えとなるとの見方を示しました。

暗号資産、引き続きもみ合いを継続

最近の政策判断は強力な上昇材料とはなりませんでしたが、発表直後に一時下落したBTCはアジア市場の序盤で素早く反発し、$118,300付近で安定しています。過去2週間にわたり、暗号資産全体の時価総額は横ばいで推移しており、投資家の慎重姿勢が続いている状況です。イーサリアム（ETH）も同様に底堅く、マクロ経済の不透明感が広がる中でも現在$3,800超で推移しています。

BTC、$130,000突破を視野に

テクニカル分析では、BTCが$118,000のサポートを維持し、かつ$120,000を明確に突破した場合、次の上昇局面では$128,000～$130,000レンジがターゲットとなります。これはおおよそ8%～10%の上昇余地に相当します。

資金は防御的ポジションへシフト

FRBの様子見姿勢が短期的な不透明感を生む中でも、機関投資家の大規模な資金引き揚げは見られていません。伝統的資産市場でリターンが伸び悩む中、一部資金はヘッジ目的で暗号資産に流入し続けています。特に8月1日に予定されている米国の新たな関税導入を前に、安全資産需要の増加がBTC価格をさらに下支えする可能性があります。

BTCが$115,000を下回ればさらなる下値支持線を試す展開が想定されますが、現時点の取引量や買い注文動向から見て、短期的に下方へ大きく動く可能性は低いと見られます。

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総括

利上げ停止、不透明な経済指標、そして地政学リスクの高まりを背景に、BTCは引き続き強固なサポートを維持しています。$118,000を上回る水準をキープできれば、ビットコインは$130,000へのチャレンジも十分可能です。今後数週間はマクロ経済データや市場センチメントの変化が主要な材料となるでしょう。